2025年3月17日開催
ひとり広報アカデミーでは、地方で広報を担う皆さまに向けたリアルセミナー「圧倒的実践者に学ぶ 地方広報のはじめ方とつづけ方」を開催いたしました。
本セミナーでは、株式会社こゆ財団の斎藤潤一氏と、アカデミー講師の小野茜氏による対談を中心に、地方広報の可能性と課題、そして日々の実践に役立つ視点が共有されました。

地方でも、広報の力は企業価値を左右する
冒頭、斎藤氏はアメリカでの経験を踏まえ「日本企業はブランディングや広報への投資が圧倒的に不足している」と指摘。
今や情報発信が企業価値に直結する時代において、都市部に限らず地方においても広報の重要性がますます高まっていると語られました。特にスタートアップ期においては、リソースが限られる中でも「とにかく出す」姿勢が大切であるとし、実際に「月10本のプレスリリース発信」を掲げた具体的な取り組みが紹介されました。
これは「情報が行動を先導する」という考えのもと、目標を先に掲げ、全社でそこに向かって動いていくという戦略的な姿勢に基づいたものでした。
広報は“法人格の代弁者”であるべき
小野氏は、斎藤氏の圧倒的な推進力と、自身の「しっかりと考え、言語化する力」とのバランスが、当時のプロジェクト成功の要因だったと振り返りました。
また、広報担当者には「企業の経営理念やビジョンを深く理解し、それを外に伝える“法人格の代弁者”としての視点」が求められることを強調されました。

地方発の広報が、世界とつながる
地方で見慣れた風景や取り組みも、海外の視点から見ると非常に魅力的に映る。
セミナーでは、SNSを通じて発信された情報が、国内外のメディア露出に繋がった事例や、海外インフルエンサーを活用した情報発信の可能性についても語られました。
多言語での発信や、グローバル視点を持つことで、地方の魅力を世界へと届ける広報の在り方が提示されました。

成功する地方広報に必要な5つの視点
- 1|情報発信の継続性
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斎藤氏は「続けること」が最も大切だと述べ「発信を止めれば、認知も止まる」と語りました。継続こそが、信頼と成果を生む鍵となります。
- 2|AIの活用
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情報収集やプレスリリース作成などにおけるAI活用の有効性にも触れ「AIを“相棒”とし、その使い手になることが、これからの広報担当者の価値を高める」と提言されました。
- 3|守りの広報
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万が一の“炎上”に備え、日頃からのメディアリレーション構築や、いざという時の「消火器(対策)」を持つ意識の大切さが共有されました。
- 4|“変”な愛(偏愛)
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斎藤氏が語ったのは「仕事に必要なのは、少し“変”なくらいの愛情」。
狂おしいほど対象を愛することで、経営者以上に深く事業を理解し、熱意をもって伝えられるという持論が展開されました。 - 5|広報がつくる採用力
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強い情熱と理解が、最終的に「採用」や「共感」を生む力になる。広報が企業の魅力を最大限に伝えることで、人材との縁も広がっていくという視点が印象的でした。
今回のセミナーは、地方で広報に関わる皆さまにとって、視野を広げると同時に、明日からの実践に役立つ具体的な学びを得られる機会となりました。
ご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました。

今後もひとり広報アカデミーでは、実務に根ざした学びの場を提供してまいります。

※こちらのイベントは、講師が代表を務める「株式会社EAT UNIQUE」が主催したものであり「ひとり広報Academy」主催のイベントではありません。ただし、アカデミー生の皆さまには、こうしたイベントへ優先的にご招待させていただいております。