2025年4月14日、ひとり広報アカデミーでは、著書『ひとり広報』で知られる小野茜さんと、共同ピーアール株式会社の井上貴史さんをお迎えし、リアルイベント「広報の最前線!〜変化の時代に求められるPRの役割〜」を開催いたしました。
2022年の書籍出版から3年が経ち、社会全体の価値観や働き方が大きく変化する中で、広報のあり方にも大きな影響が及んでいます。本イベントでは、その変化を踏まえ、以下の3つの観点からお話をいただきました。

1|広報に求められる役割の変化
従来、広報はメディアへの露出を通じた情報発信が中心でしたが、現在は「経営視点を持つこと」が重要であると指摘されました。
2023年に日本広報学会から発表された「日本広報の定義」にもあるように、広報は経営と深く関わる存在であり、企業の方針策定にも影響を与える役割が求められています。
また、採用広報や社内広報(インターナルコミュニケーション)など、広報の領域が広がっている現状についても議論が交わされました。
特に「社内コミュニケーションの活性化」が、広報活動全体の成功に直結すると井上さんは強調されています。
2|広報を取り巻く環境と働き方の変化
コロナ禍を経て、「個人の名前で仕事の依頼が来る」など、働き方の多様化が加速している現状についても言及されました。
小野さんは、個人の実力が可視化されやすい時代になったことから、「広報」という役割が組織に属するだけでなく、より自律的な働き方へと広がっていると話します。
また、オンラインでの学びや情報交換の場が増えたことで、自己成長を求める広報担当者が着実に増えていることも共有されました。

3|これからの広報に必要な視点とは
今後の広報の方向性として、小野さんは「ひとり広報の加速」をキーワードに、AIツールの活用と人ならではの価値の両立が不可欠になると語りました。
業務の一部をAIに任せることで、人間にしかできない戦略設計やコミュニケーションに時間を使うべきだと提言されています。井上さんからは、「全員広報」の時代に向けて、企業のあらゆる部門が情報発信を担う重要性についてお話しいただきました。
AIによって情報が均質化される中でも、企業独自のストーリーや“らしさ”をどう表現していくかが、これからの広報に求められる力だと締めくくられました。

今回のイベントは、実務に直結する知見と、広報の未来を考えるヒントに満ちた時間となりました。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

今後もひとり広報アカデミーでは、実践に役立つ学びの場を提供してまいります。
※こちらのイベントは、講師が代表を務める「株式会社EAT UNIQUE」が主催したものであり「ひとり広報Academy」主催のイベントではありません。ただし、アカデミー生の皆さまには、こうしたイベントへ優先的にご招待させていただいております。