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【月末ウェビナー】SNS広報の考え方。広報初心者が見落としがちな情報発信の罠

ひとり広報アカデミー月末Webセミナー2025.05


日々の広報活動において、私たちは常に「どうすればもっと多くの人に知ってもらえるか?」という問いに直面しています

特に近年は、SNSの隆盛により「バズれば勝ち」といった風潮も生まれ、広報担当者の間で「まずはSNSから」という考え方が浸透しつつあります。

しかし、本当にそれが、企業が望む「成果」に直結する広報の最適解なのでしょうか?

ひとり広報アカデミーが5月に開催した月末ウェビナー、今回、前半は「SNS広報の考え方」、そして後半は「SNS含むPESOモデルから見た広報」というテーマでお届けしました。

この現代SNS広報における様々な疑問に対し、目から鱗の答えが提示されました。

【ハイライト①】メディアとSNSの決定的な違い

ウェビナー冒頭でまず明確にされたのは、「メディア」と「SNS」の情報発信における根本的な性質の違いでした。

私たちはSNSで情報を発信する際、しばしば「拡散」や「いいね」の数に目を奪われがちです。確かに、SNSは企業が「主観的に」伝えたいことを直接発信できるため、ブランドの真意や熱量をダイレクトに届けられるメリットがあります。

しかし、その一方で「たどり着いた人にしか届かない」という特性も持ち合わせています。

一方、メディアは「第三者が客観的に伝える」ことで、圧倒的な信頼性と社会的な正当性を企業にもたらします。自社だけでは到達できない層へのアプローチや、客観的な評価を得る上で、メディアの存在は依然として不可欠なのです。

・SNSによる自社発信は、自分の好きなように発信できるが、必ずしもターゲット層に届くかわからない
・メディアは、発信内容をコントロール出来ないが「第三者が取り上げた内容」であるため、信頼性が高い

SNSでの「バズ」は、確かに瞬間的な注目を集めることはできますが、それが必ずしも企業の信頼性向上や事業成長に直結するわけではありません。

講師からは「フォロワーやエンゲージメントの低いアカウントがいきなりバズるのは奇跡に近い」という、広報の現実を突きつける言葉も。バズは、戦略的に起こすのが難しい「博打的施策」と捉えるべきだという指摘は、参加者に広報活動のリアルな視点をもたらしました。

 

【ハイライト②】広報活動の全体像を捉える「PESOモデル」とは?

後半のテーマは、広報戦略の全体像を体系的に理解するためのフレームワーク「PESOモデル」でした。

PESOモデルとは、広報活動を構成する4つの主要なメディアタイプを分類したものです。

  • Paid Media(ペイドメディア):広告など、費用を払って獲得するメディア
  • Earned Media(アーンドメディア):メディア掲載やSNSでの言及など、信頼を「獲得」して得られるメディア
  • Shared Media(シェアードメディア):SNSなど、共有・拡散されるメディア
  • Owned Media(オウンドメディア):自社ウェブサイトやブログなど、自社が所有・管理するメディア

ウェビナーでは、このPESOモデルにSNSをどう位置づけ、それぞれのメディアが持つ役割と効果を最大化するために、どのように連携させていくべきか、その具体的な考え方が示されました。

特に、SNSは「Shared Media」と「Owned Media」の要素を併せ持つメディアとして、その特性を理解した上で活用することが重要であると強調されました。

多くの広報担当者が抱える「メディアに中々取り上げられないから、まずはSNSから始めるのがいいですか?」という疑問に対し、講師は「どちらか一方に偏るのではなく、リソース配分を考慮し効率よく両方取り組むのが理想的」と明言しました。

メディアとSNSはトレードオフの関係ではなく、互いに補完し合うことで、広報効果を相乗的に高めることができるのです。

まとめ:広報の「なぜ?」を解き明かす、実践的知識の宝庫

今回の月末ウェビナーは、広報初心者が漠然と抱いていたSNSやメディアに対する疑問を解消し、より戦略的かつ効果的な広報活動を実践するための確かな道筋を示してくれました。

バズの幻想から解放され、広報の真の価値を見出すための実践的なノウハウが凝縮された120分だったと言えるでしょう。

ひとり広報アカデミーでは、これからも広報の「なぜ?」を解き明かし、受講生の広報スキル向上を強力にサポートする実践的なWebセミナーを企画してまいります。

実践的な広報スキルを身につけ、たいひとり広報として自由な働き方をしたいとお考えの方は、ぜひ、ひとり広報アカデミーの今後の活動にご注目ください。